










私は自転車で西海市を訪れたことがあります。道路沿いにふと見える海 に浮かぶ島々、時折顔を見せるみかん畑、そして写真には写らない生き物 の声や波の音。観光地をつなぐ道すがら、自然とのさりげない出会いが心 に残っています。
この体験から、西海市全体がまるで一つの大きな「公園」のように感じら れました。観光スポットだけでなく、その間に広がる景色や体験もまた、 訪れる人の記憶に残る大切なものです。
公園に遊びにきてふと東屋に腰を下ろすと印象的な風景に出会うよう に、訪れた観光客が移動の合間にも印象的な風景に出会う一息つける場 所が必要であると考えました。
そこで私たちは、「道と居場所が一体となる」小さな建築を考えました。移 動の途中に立ち寄れる休憩処として、景色を眺める場として、そして夜を 過ごす宿としても機能する場所です。 この建築「道草処」を通して、西海市での体験が教えてくれた新しい旅の かたちを提案します。
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